【R7年度】プロジェクトレポート|株式会社まちづくり豊栄

2026年2月13日(金)、新潟日報メディアシップ SANKAKUホールにて令和7年度「新潟市副業カンケイ人口プロジェクト」の最終報告会が開催されました。10月のキックオフから約3ヶ月間、地域課題の解決に向けてオーナー企業と外部のプロ人材が共に歩んできた活動を振り返ります。今回は、豊栄地区の空き店舗活用・商店街再興プロジェクトをレポートします。

<副業カンケイ人口プロジェクトとは?>

本プロジェクトは、新潟市外の都市部などで働くプロフェッショナルな外部人材が、副業やプロボノとして新潟市内の企業・団体が抱える課題解決に取り組むことで、新たな関係人口を創出する取り組みです。

令和7年度の事業では、多彩な専門性を持つ23名の副業人材が全国から参画。3つのプロジェクトチームに分かれ、約3ヶ月間にわたりオーナー企業と密に連携しながら、具体的な戦略の立案から実行まで、共に走り抜けました。

<プロジェクト概要>

  • オーナー企業:株式会社まちづくり豊栄(新潟市北区)
  • テーマ:豊栄地区の空き店舗活用・商店街再興プロジェクト
  • プロジェクトメンバー:コンサルティング、マーケティング、商品企画、大学教員など多才なスキルを持つ副業人材8名

新潟市北区の豊栄地区には、約5,000人の学生を抱える新潟医療福祉大学があります 。しかし、学生の生活圏は豊栄駅前よりも新潟駅周辺が中心となっており、地元商店街は若者の活力をうまく取り込めていない現状がありました。この課題に対し、空き店舗の利活用を進めながら、学生が街に愛着を持ち、日常的に集えるような「仕組みづくり」と「場所づくり」を目指すのが本プロジェクトのミッションです 。

<取組内容>

豊栄地区で開催されるイベントにメンバーが参加しながら、単なる「集客イベント」から「日常的な接点の創出」へのシフトチェンジを提案しました。実態調査と仮説検証を繰り返すなかで、豊栄地区の活性化に向けた戦略を検討しました。

<現地視察をするメンバー>

1. 徹底した現地調査と「リアルな声」の収集

  • 現地視察と座談会の開催:学生、地域住民、商店街オーナー、プロジェクトメンバーによる座談会を実施し、アンケートでは見えてこないリアルな悩みや期待をヒアリングしました。
    朝市への出展:豊栄地区の伝統ある「葛塚市」にブースを出展。地域住民と直接交流しながら、街の活性化に関する意識調査を行いました。
<座談会の開催>
<朝市への出展>

2. 課題の再定義と仕組みの提案

  • 「情報の壁」の発見:調査の結果、学生はイベント自体を知らない「機会損失」の状態にあることや、意外にも「地域と繋がりたい」という意欲が高いことが判明しました 。
  • 日常の接点を作るロードマップの策定:一過性のイベントで終わらせないため、大学のサテライト施設などを活用した放課後の交流会「ちょい寄りDAY」の企画など、段階的なアクションプランを検討し、大学側と今後の連携に向けた打合せを実施しました。
<大学との打合せ>

<プロジェクトの成果>

本プロジェクトを通じて、大学・学生・地域の三者が共通の価値を創出する「三方良し」の持続的な仕組みを作り上げました。学生への実態調査を基に、彼らが日常的に商店街へ立ち寄るための具体的なロードマップを策定し、一過性のイベントに頼らない地域活性化の指針を確立しました。また、プロジェクトを通じて大学側との窓口を一本化し、今後の自走化に向けたスムーズな連携体制を整えました。心理面においても、外部人材の持つ豊富な経験と熱量を地域に注入することで、オーナー自身のモチベーションアップにつながりました。地域住民や学生を巻き込んだ「座談会」や「朝市への出展」といった、目に見えるアクションを実行したことで、街全体で活性化に取り組む機運を再び燃え上がらせることが出来ました。

<今後に向けて>

今後は策定したロードマップに基づき、大学との連携強化や定期的な交流会の実施からはじめ、ゆくゆくは空き店舗を学生と地域の情報発信・交流拠点にすることを目指します 。

オーナー企業からは「これまでに無いスピード感で企画が具現化していく過程が新鮮だった」「一緒に悩みながら議論を進めていただいたことが大きな力になった」と高い評価を得ており、プロジェクト終了後もメンバーと地域との深い繋がりが継続していくことが期待されています。


オーナー企業の声

「本業が忙しく大変な時期もありましたが、メンバーの皆さんが提示してくれた『外の視点』が、私にとっての『栄養剤』になりました。自分たち地元の人間だけでは気づけなかった町のポテンシャルを指摘してもらい、もう一度、自分が生まれ育った町のために頑張ろうという火を灯してもらいました。泥臭く地道な挑戦も、このチームとなら続けていけると感じています」

プロジェクトメンバーの声

「縁もゆかりもない土地でしたが、豊栄駅に降り立ったときに多くの学生さんがいる光景を見て、この町の持つ『伸びしろ』にワクワクしました。アンケートや座談会を通じて町の方々の優しさに触れ、この町を学生にとっての『第2の居場所』にしたいという目標が、いつの間にか自分自身の願いになっていました」